「突然話を振られて、頭が真っ白に…」そんな経験、ありませんか?
会議の場で意見を求められたとき、雑談の中でうまく返せなかったとき。日常のあらゆるシーンで、「即興で話す力」は求められます。

そんな力を楽しく、実践的に鍛えられるのがトーストマスターズの「テーブルトピック」です。
この記事では、
- テーブルトピックってそもそも何?
- どんな力が身につくの?
- どうすれば上達するの?
という疑問にお答えしながら、テーブルトピックの魅力をご紹介します!
テーブルトピックってなに?
「テーブルトピック」は、トーストマスターズの例会で行われる即興スピーチのセッションです。司会者(テーブルトピックマスター)がその場でお題(トピック)を出し、指名されたメンバーが1〜2分間で即興で話す、という形式です。
テーマは「旅行」「好きな食べ物」「最近のニュース」など多岐にわたります。どんなお題がくるかはわかりません。だからこそ、瞬発力や柔軟な思考が試される、スリリングで楽しい時間です。
たとえば、ある日のテーブルトピックではこんなお題が出ました。
「もしタイムマシンがあったら、未来と過去、どちらに行きたいですか?」
指名された人は、この問いに対してその場で考え、自分の意見を構成して話す必要があります。
「未来に行って、自分の10年後を見てみたいです。なぜなら…」
「過去に戻って、小学生の自分にアドバイスしたいですね。たとえば…」
といった感じで、1〜2分で話をまとめます。
テーブルトピックでどんな能力を養うの?
私が初めてテーブルトピックに参加したとき、テーマは「あなたの人生で最も影響を受けた本は?」でした。突然指名され、頭の中が真っ白になった私は、とっさに学生時代に読んだ自己啓発書のタイトルを口にし、どうにか1分ほど話しました。振り返ると、内容は支離滅裂。でもその経験が、“即座に考えて、相手に伝える”という新しいスキルの入り口でした。
それから何度も挑戦するうちに、少しずつ変化が現れました。実はこの即興スピーチの練習は、ビジネスの現場でも大きな効果を発揮するのです。
① 会議やプレゼンでの「とっさのひと言」が強くなる
たとえば、社内会議で上司に突然意見を求められる場面。
以前の私は「うーん…ちょっと考えさせてください」と言ってしまうタイプでした。
でも、テーブルトピックを通して「PREP法」や「3部構成」が体に染み込んだ今は、短い時間で要点をまとめて話すことができるようになりました。
「私はこう思います。理由は2つあります。まず〜…」というように、構造的に話せると、説得力や信頼感が格段に上がるのを実感しています。
② 営業や面接でも、自分の言葉で語れるようになる
営業職や就職活動でも、用意された資料やテンプレートだけでは不十分な場面があります。
突然「御社にとって、私たちのサービスの価値は何だと思いますか?」と聞かれたとき、台本では対応できません。
そういうときに役立つのが、その場の空気を読み、質問の意図をくみ取り、自分の言葉で返す力。
テーブルトピックで鍛えられた即興力や表現力が、まさに活きる瞬間です。
③ 話し方のクセや改善点に気づく
テーブルトピックの魅力は、短時間で多くの“話す機会”が得られること。そして何より、聞いている仲間たちからすぐにフィードバックがもらえる点も大きな学びです。
「話の展開がわかりやすかった」
「もっと具体的なエピソードがあるとよかった」
こういった言葉をもらうことで、自分では気づかない“話し方のクセ”や“改善ポイント”が見えてきます。これはビジネスでのプレゼンや顧客対応において、自己改善を促す大きな武器となります。
④ 自分の価値観や強みを言語化する力がつく
テーブルトピックでは、「最近感動したこと」や「理想の休日」など、自分の内面に向き合うお題も少なくありません。
こうしたテーマに繰り返し答えるうちに、自分が何を大事にしているのか、何に価値を感じるのかが言語化できるようになります。
これがビジネスの自己紹介やキャリア面談の場面で、自分の軸を持って語る力につながっていくのです。
まとめ
「たった1〜2分の即興スピーチなんて」と思うかもしれません。
でも、その1〜2分の中には、情報整理力・表現力・柔軟性・自己理解力といった、ビジネスに直結する力が凝縮されています。
私は、テーブルトピックを通して「話す」ことに対する苦手意識がなくなり、今では会議や初対面の人との会話でも、自信を持って自分の考えを伝えることができるようになりました。
テーブルトピックはどうやって上達するのか?
ビジネスで即使える“話す力”を育てる実践法~
テーブルトピックは、ただ場数を踏めば自然にうまくなるものではありません。意識的な練習と振り返りを繰り返すことで、ビジネスの現場にも応用できる「使えるスキル」として定着していきます。
ここでは、私自身が試して効果を感じた、具体的な上達法と練習のコツをご紹介します。
① PREP法+時間配分の感覚を身につける
PREP法(Point → Reason → Example → Point)は、テーブルトピックでもビジネスでも鉄板の構成法です。
たとえばこんな感じです:
💬「テレワークは継続すべきか?」
✔【Point】私は継続すべきだと考えています。
✔【Reason】なぜなら生産性が上がると実感しているからです。
✔【Example】実際、出社時に比べて集中時間が増え、1日のタスク処理数が20%増えました。
✔【Point】以上の理由から、テレワークは今後も重要な働き方だと思います。
📝練習法:
1分〜2分でこの構成を完成させる練習を毎日1問、テーマを決めて繰り返すだけでも効果抜群です。
テーマ例:「あなたの強み」「理想の上司」「最近の成功体験」など、ビジネス系の即興テーマを選ぶのがポイントです。
② “テンプレート”をいくつか持っておく
毎回ゼロから話を考えるのは大変です。だからこそ、自分なりの「話しやすい型」や「切り口」をストックしておくのが効果的です。
たとえば:
- 「過去→現在→未来」の時間軸構成
- 「失敗→学び→成長」のストーリー構成
- 「5W1H」に沿って展開する説明型スピーチ
このように、いくつかの“引き出し”を準備しておくと、どんなお題が来ても焦らず対応できます。
③ 録音→セルフレビューを習慣化する
ビジネスで成果を出す人ほど、自分の発言を「見直す習慣」を持っています。
テーブルトピックでも、スマホで録音して聞き返してみると、思っている以上に「言葉のムダ」や「論理の飛躍」に気づけます。
✅ チェックポイント:
- 結論が先に言えていたか?
- 話に一貫性があったか?
- 聞き手を意識した語り口だったか?
- 「あのー」「えっと」といったフィラーが多すぎないか?
録音を聞くのはちょっと勇気がいりますが、上達スピードが段違いに速くなります。
④ ロールプレイで“ビジネス風”練習をする
仲間と一緒にテーブルトピックの練習をするときは、あえてビジネスの場面を想定したロールプレイ形式で行うと、実戦に直結します。
例:
- 「部下からの質問に答える上司として話す」
- 「顧客に商品の価値を説明する営業として話す」
- 「リーダーとしてチームを鼓舞するように話す」
このように役割とシチュエーションを明確にすることで、実際の職場で活かせる“瞬発力”が鍛えられます。
⑤ 上手な人の話し方を観察・模倣する
テーブルトピックが上手な人は、「話す技術」を持っているだけでなく、「聞く人にどう届くか」を常に意識しています。
話し方を観察すると、
- 結論を先に言って安心感を与えている
- 声のトーンや間の取り方で印象をコントロールしている
- 身振りや視線で話に抑揚をつけている
といった細やかな工夫が見えてきます。
📌おすすめ練習法:
上手な人のスピーチを録音し、文字起こしして構成を分析したり、自分でもまねして話してみることで、“話し方の筋トレ”になります。
まとめ:テーブルトピック練習=仕事のパフォーマンス向上につながる!
テーブルトピックの上達は、会議での発言力・プレゼンの説得力・面談での表現力に直結します。
ただのスピーチ練習ではなく、「自分の言葉で話す力」を磨くことで、ビジネスの現場でも“頼られる人”になれるのです。
テーブルトピックは、実は最強の「ビジネストレーニング」。
1日1題でもいいので、継続して取り組んでみてください。きっと、自分の成長を実感できる日が来ます。
実践編
20250323 日英 TableTopics
皆さん、おはようございます。 もうすぐ3月末ですね。3月・4月といえば、人事異動や転職、部署変更など、変化の多い時期です。 こうした環境の変化に合わせて、新しい知識を身につけたり、自分をアップデートしたりする「学びの機会」も増えるのではないでしょうか。
今日は学び方や効率的な仕事方法をテーマに、皆さんにいくつか質問させていただきます。
🎤質問1:知っているだけではなく、行動に移すこと
「社会人になると、“知っている”だけでは十分じゃないと感じることが増えましたよね。実際に行動に移して、やっと身についたと言えるんだと思います。
最近、私は『“わかる”を“できる”に変える本』という本に出会って、まさにそれを実感しました。」
そこで質問です。
最近あなたが読んだ本、聞いたこと、あるいはふと思ったことなどの中で、『自分の成長に役立った!』と感じたことはありますか?
○○さんへ
お話、ありがとうございました!
私も本当に共感しました。「知っている」だけで満足してしまいがちですが、行動が大事ですよね。
🎤質問2:「学びたい」テーマ
「続いての質問です。最近、私は技術職から技術営業へのキャリアチェンジを動いています。それに向けて“営業”について意識的に学び始めたところ、目的が明確になるとモチベーションも続くなと感じています。」
あなたが今、『学びたい』と思っているテーマは何ですか?そして、そのテーマを選んだ理由も教えてください。
○○さんへ
素敵なお話をありがとうございました!
学ぶ内容が明確だと、やる気も出ますよね。とても参考になりました。
スピーチからのご質問です:
✅ 質問 1
「買い物をするとき、『これは高いけど買う価値がある!』と思う瞬間ってありますよね。」
あなたがこれまでに買った中で、『一番高かったけど後悔していない』ものは何ですか?その理由も教えてください。
✅ 質問 2
「逆に、『安物買いの銭失い』なんて言葉もあるように、後悔した買い物も誰にでもあると思います。」
あなたが過去に失敗した“買い物エピソード”を教えてください。そこから何を学びましたか?
✅ 質問 3
「“10年”という時間は、人生を大きく変えるのに十分な長さですよね。」
10年前の自分と比べて、あなたが一番変わったと思う部分は何ですか?
✅ 質問 4
「10年後、私たちはどこで何をしているでしょうか?考えるだけでワクワクします。」
あなたは10年後、どんな自分になっていたいですか?どんな夢がありますか?
🎯 Question 1: How to Stay Focused
Let’s start with something we’ve all experienced.
Have you ever sat down to focus—maybe to study or get something done—and suddenly your phone looks way too interesting? Or you remember you need to clean your room… or check Instagram… or anything but the task in front of you?
Yeah, distractions are everywhere these days, and staying focused can feel like a real challenge.
So, here’s my question for you:
When you really need to focus, what do you do to stay on track? Any tricks or habits that help?
[Name], you’re up—can’t wait to hear your tips!
🎯 Question 2: Learning from Mistakes
You know how people say, “failure is the best teacher”?
It’s true—sometimes one mistake teaches us more than a whole course or a dozen self-help books.
It might feel terrible in the moment… but later, it becomes a lesson we never forget.
So here’s my question:
Can you tell us about a mistake you’ve made that ended up teaching you something really valuable?
[Name], the floor is yours!
🎯 Question 3: Learning from Others
You don’t always need a fancy textbook or an expensive seminar to learn something life-changing.
Sometimes, it’s a simple chat with a friend or a story someone shares that really sticks with you.
So here’s my question:
Have you ever learned something important just by listening to someone’s story or experience? What was it, and how did it impact you?
[Name], take it away—we’re all ears!
🎯 Question 4: Saying “No” (From Speech)
Sometimes we’re asked to do something we don’t really want to do—but it’s hard to say “no,” right?
Being assertive means we can say “no” politely, without feeling guilty.
Here’s the question:
Have you ever had to say “no” to someone? How did you say it?
[Name], over to you!
20250323 TableTopics振り返り
本日の例会でテーブルトピックスマスターを担当し、いくつかの気づきがありました。以下に良かった点と改善すべき点を整理します。
✅ 良かった点
- ユーモアを入れたことで場が和んだ
緊張しがちなテーブルトピックの時間に、ちょっとした笑いを入れることで参加者の気持ちがほぐれ、リラックスした雰囲気を作ることができました。 - スピーチの内容に関連した質問を用意できた
直前のスピーカーの話からトピックを拾い、つながりのある質問をすることで、自然な流れと一体感のある進行ができたと感じています。 - 質問後のコメントも大体できた
回答者の話に対して簡単なコメントやリアクションができたことで、スピーカーとのやり取りに温かみが出ました。今後は、もう一歩深くコメントを添えるようにしていきたいです。
🔧 改善すべき点
- 日本語・英語の語彙力・表現力の不足
即興で話す際、適切な言葉や自然な表現がうまく出てこない場面がありました。質問を投げかけるときや参加者の回答を受けた際のリアクションにも、もっと多様な語彙が使えれば、よりスムーズで魅力的な進行ができたと思います。
▶ 改善策:- 日頃から日本語・英語の「話し言葉」の語彙に意識を向け、便利なフレーズをストックする
- 他のメンバーの表現をメモし、積極的に取り入れる
- TEDやToastmastersの動画を視聴し、自然な表現を学ぶ
- 質問をする際に、背景説明→一時停止→質問 の流れが必要
質問を投げかける際、前置きが長くなったり、すぐに質問部分へ移ってしまったため、聞いている人が「どこからが質問なのか」「何に答えればいいのか」がわかりづらかったように感じました。
▶ 改善策:- 質問に入る前に、簡潔な背景説明を行う(30秒以内を意識)
- 背景の説明後に少し間(ポーズ)を取ってから、はっきりと質問する
例:「…というわけで、ここで質問です。(一呼吸)あなたならどうしますか?」 - トーンや抑揚を使って、「質問が来た」とわかるように話す
🎯 次回に向けて
今回の経験を通じて、テーブルトピックスマスターには「質問力」だけでなく、「聞きやすさ」や「伝え方」の工夫が求められると実感しました。語彙力・表現力を磨くと同時に、聞き手の立場に立った“質問の届け方”を意識して、次回はよりスムーズで楽しいセッションを目指したいと思います。
– 何かを強調したいときは、2-3回同じことを繰り返し話します!
– 背景の紹介と質問の間に、間や停止などを入れて、質問の注意喚起をします!